尾身 博之 フォトエッセー展

ご挨拶

高校で現代文を橋本喜典先生(歌人)に、古文を伊藤丈一先生に学びました。

 私の仕事の原点、そして言葉と言葉になる以前のものを大切にしたいという思いの原点はお二人の御授業にあります。
先生は同窓会で再会した35年ぶりの私を覚えていて下さった。しかし、私は忘れ物をしていました。
それはお二人に報告をまだしていないということ。「まだまだ成長できず、読みも深まっていません」と。

「今まで出会った日本の文学作品で、激しく心が揺さぶられたあのとき」を、フィルムで撮影し自家現像、自家プリントで再現してみようと思い立ちました。
自分の読書の範囲はたいへん狭いし、読みはとても浅い。しかし、あの感動をスケッチして、「報告」としてみてはどうか。 文学のもつ奥深い精神性に惹かれ、畏敬してきました。
そこに触れたいとするときの方法に、日頃使用しているデジタルではなく、私はあえてアナログを積極的に選びました。

撮影を始めて数か月後、偶然目にした新聞の短歌雑誌広告などで相継ぐお二人の訃報に接しました。「報告」は間に合わなかった。

そして今、自分がするべきことは何かをあらためて決意しました。
最後まで成し遂げよう。そして「人の生き方」「こころ」の探究をしてみようと。

ここには名所・旧跡・観光地の、いわゆる「キレイ」なだけの風景が登場するのではありません。
作品の舞台とは違う土地でも撮影しています。感動を映像化できる場所を求めて各地を歩いています。

なお表題には「日本の文学」とありますが、「日本人とアイヌによる文学および民俗学作品」という思いで作品つくりをしています。

「いつはりのたくみをいふな誠だにさぐれば歌はやすからむもの」(橘曙覧 たちばなあけみ)

ご指導を賜ることができればこの上ない幸いです。ホームページを見てくださりまことにありがとうございました。



   令和3年2月 
                           尾身博之




1962年東京都荒川区南千住生まれ。同区日暮里育ち。神奈川県相模原市在住。59歳。
文学部中国文学科卒業(中国近世哲学専攻)。大判、中判カメラで主に風景写真を撮る。
1988年「第五回日本の自然100選写真コンテスト」(全日本写真連盟・朝日新聞社・森林文化協会主催)最優秀賞受賞。
写真歴43年。高校国語科教諭。

今回、「こころ」「人の生き方」を描くのにアナログが適していると確信し、プリンタを使用せず自宅で銀塩写真で表現。

是非、印画紙の質感と階調もお楽しみください。






1大判カメラ(4×5判)

・カメラ
 リンホフ マスターテヒニカ
 レンズ:ニッコール SW90mm F4.5
・フィルム(大判)
 コダック:エクタバン

2中判カメラ(6×6判)

・カメラ
  ハッセルブラッド 503CX
  レンズ:ディスタゴン50mm F4
      ゾナー250mm F5.6
・フィルム(中判)
  コダック:トライX
  フジ  :ネオパン100 アクロスⅡ

3印画紙

 イルフォード マルチグレードⅣ RCデラックス 25M