尾身 博之 フォトエッセー展

作品名 撮影場所・撮影対象
1 梶井基次郎
『桜の樹の下には』より。
東京都町田市、尾根緑道にて。花見。
2 柳田國男
『後狩詞記』より。
母校の、取り壊される3日前の旧本校舎「興風館」。(旧作)
3 中原中也
「無題」(『(山羊の歌』)より。
ウィスキーグラス。
4 安西冬衛
「春」(『軍艦茉莉』)より。
長野県諏訪郡富士見町、入笠山にて。アサギマダラ。
5 狭野茅上娘子
「君が行く道のながてをくりたたね焼きほろぼさむ天の火もがも」(『万葉集』)より。
埼玉県比企郡嵐山町鎌形にて。
6 紫式部
「桐壺」(『源氏物語』)より。
なでしこ。
7 森鷗外
「扣鈕」(『うた日記』)より。
神奈川県横浜市中区山下町にて。日本郵船 氷川丸。
8 『伊勢物語』第65段「在原なりける男」より。 静岡県藤枝市岡部にて。修行者が東下りの主人公と出会う、宇津ノ谷峠(つたの細道)西側の入山口。
9 樋口一葉
『十三夜』より。
東京都台東区浅草、浅草神社にて。人力車夫。
10 夏目漱石
『こころ』より。
東京都文京区本郷にて。東京大学(本郷キャンパス)総合図書館。
11 近松門左衛門
『女殺油地獄』より。
東京都千代田区隼町にて。国立劇場小劇場。
12 知里幸恵訳
「狐が自ら歌った謡『トワ トワ ト』」
(『アイヌ神謡集』)より。
北海道上川郡鷹栖町近文、アイヌ文化の森・伝承のコタンにて。笹で作られるアイヌの家屋「チセ」。
13 釈 迢空
「葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり」(『海やまのあひだ』)より。
長野県諏訪郡富士見町、入笠山にて。山道のかたわらに咲くシモツケ。
14 藤原定家
「駒とめて袖うちはらふかげもなし佐野のわたりの雪のゆふぐれ」(『新古今和歌集』)より。
神奈川県相模原市中央区、市立淵野辺公園にて。降りしきる雪。
15 『平家物語』「維盛入水」より。 茨城県東茨城郡大洗町、大洗磯前神社にて。低気圧通過後の鹿島灘、神磯の鳥居。
16 『義経記』「衣川合戦の事」より。 岩手県西磐井郡平泉町にて。高館より北上川、束稲山。
17 松尾芭蕉
『奥の細道』「平泉」より。
岩手県西磐井郡平泉町にて。中尊寺套堂(旧覆堂)。
18 島崎藤村
「椰子の実」(『落梅集』)より。
愛知県(渥美半島)田原市日出にて。恋路ヶ浜、伊良湖岬、夜明け前の月。
19 宮澤賢治
「花巻農学校精神歌」(歌曲)より。
岩手県立花巻農業高等学校にて。賢治先生の家1階8畳、妹トシのベッドがあった居間。同校同窓会・同校から特別な許可をいただいて展示。
20 加藤楸邨
「鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる」(『起伏』)より。
茨城県ひたちなか市、那珂湊港にて。あんこう。
21 菅原道真
「敍意一百韻」(『菅家後集』)より。
福岡県太宰府市朱雀、榎社にて。神幸式大祭を1週間後に控えた、御神霊のお乗りになる御神輿の休輿台座と、御社殿。
22 吉村昭
『破獄』より。
東京都荒川区南千住、雪降るJR貨物隅田川駅にて。北海道からのコンテナ車。
23 草野心平
「冬眠」(『第百階級』)より。
神奈川県相模原市南区、県立相模原公園にて。
24 会津八一
「おほてら の まろき はしら の つきかげ を つち に ふみ つつ もの を こそ おもへ」
(『自註鹿鳴集』)より。
沖縄県中頭郡読谷村、二ライビーチにて。東シナ海。
25 正岡子規
『仰臥漫録』より。
東京都台東区根岸、子規庵にて。六尺の病牀のあった終焉の部屋で。枕の高さから、特注の文机・へちま棚。
26 源実朝
「乳房吸ふ まだいとけなき 嬰児と ともに泣きぬる 年の暮かな」(『金槐和歌集』)より。
神奈川県鎌倉市、鶴岡八幡宮にて。雪降る未明に強風で倒れた大銀杏の背の高い切り株とヒコバエ、石段。
27 三浦綾子
『塩狩峠』より。
北海道上川郡和寒町塩狩、JR宗谷本線塩狩駅にて。通過列車。
28 萩原朔太郎
「小出新道」(『純情小曲集』)より。
東京都千代田区外神田(秋葉原電気街)にて。
29 太宰治
『黄金風景』より。
東京都町田市、菅原神社にて。初宮参り。
30 内田康夫
『戸隠伝説殺人事件』より。
長野市戸隠栃原、荒倉山山中にて。鬼女紅葉の岩屋。
31 佐藤佐太郎
「冬山の青岸渡寺の庭にいでて風にかたむく那智の滝見ゆ」(『形影』)より。
長野県須坂市米子にて。米子大瀑布。
32 山村暮鳥
「風景」(『聖三稜玻璃』)より。
愛知県田原市堀切にて。菜の花畑。
33 阿倍仲麻呂
「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも」(『古今和歌集』)より。
神奈川県相模原市中央区淵野辺本町の畑にて。出航前日の1266年後の同月同日(11月15日)の月。
34 Lafcadio Hearn(ラフカディオ・ハーン。小泉八雲)
GRIMPSES OF UNFAMILIAR JAPAN(『知られぬ日本の面影』)より。
島根県松江市袖師にて。冬の日。宍道湖の夜明け。伝説の嫁ヶ島。
35 高村光太郎
「雪白く積めり」(『典型』)より。
岩手県花巻市太田にて。高村山荘の厠(トイレ)の板壁に光太郎みずからが彫り抜いた小さな灯り取り。
36 中島敦
『悟浄出世』より。
北海道上川郡鷹栖町近文にて。オサラッペ川。


No.2は1988年撮影。それ以外はすべて2019年および2020年(新型コロナウイルスの感染拡大が始まる前、および沈静化の時期)に撮影。